県に見習って、佐世保市も石木ダムの再評価をせよ

今日、私たち「石木川まもり隊」と「水問題を考える市民の会」の2団体は佐世保市を訪れ、工期延長に伴う利水面での再評価をおこなうよう佐世保市に申し入れました。

16時からという遅い時間帯でしたが、NHKの夕方のニュースで早速報道されました。

http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5034291641.html

佐世保市も石木ダム再評価を

長崎県と佐世保市が川棚町に建設を計画している石木ダムについて、建設に反対する市民団体が21日、佐世保市役所を訪れ、市に対しダム事業について再評価し見直しを検討すべきだと要望しました。
佐世保市の慢性的な水不足の解消を目的の1つとする石木ダムの建設をめぐっては、長崎県は今月、事業の工期を見直した結果、6年延長し平成34年度に完成させるとする工程を明らかにしています。
これを受けて、県の公共事業評価監視委員会が工期を延長する石木ダム事業の妥当性を評価する議論を進めていることから、21日、ダム建設に反対する佐世保市の市民団体のメンバーら3人が市役所を訪れ、西本眞也総務部長に対して佐世保市でも事業について再評価すべきだと求めました。
具体的には、一部で過大だとの指摘がある水需要の予測や、最近の資材費や人件費の高騰などをふまえ市民が負担することになる建設コストなどをいま一度見直すべきだとしています。

これに対して西本総務部長は、朝長市長と担当部局に伝えると回答しました。
見直しを要望した市民団体「石木川まもり隊」代表の松本美智恵さんは、「利水に関しては私たち佐世保市の問題。市民にもいろんな意見の人がいるので、水道局にはしっかりとした分析をしてもらいたい」と話していました。
 
 
 
私たちが提出した申入書はこちらです。

補足説明に使ったグラフはこちらです。

 

黒の折れ線が実績値。赤の折れ線が2012年度再評価の時の予測値。

予測の2年後の2014年度の予測91,717㎥に対して実績は77,099㎥ですから、その差14,000㎥以上。

今後その差は開くばかり。

工期延長で新たな目標年度となる2022年度を見てみると、その差3万㎥以上!

今こそ、この架空予測を見直す絶好のチャンス!

と訴えたのですが・・・

 

市の対応は大変残念なものでした。

19日に市長への申入書も沿えてアポを取ったのに、

市長どころか、2人の副市長の1人も出席せず、その上水道局から誰一人も同席しませんでした。

対応したのは総務部長のみ。

総務部長は何を言っても「伝えます」「私はお答えできません」を繰り返すばかり。

 

かつてはこのようなことはありませんでした。

市長が出てきたことはありませんが、必ず副市長と水道局長、あるいは副市長と水道局事業部長など、

ある程度お答え頂ける立場の人が同席していました。

佐世保市はいつからこのような市民無視の態勢になってしまったのでしょう?

それともこれは私たち石木ダムに反対している市民にだけの対応なのでしょうか?

その理由は?

考えられる理由は2つしかありません。

その1.議論したら自分たちに勝ち目はないから。
反対派のデータは事実なので、それを元に追及されたら、認めるしかなくなる。
それは絶対にできないから、逃げるしかない。

その2.予測が正しいかどうかなどどうでもいい、議論するだけ時間の無駄。
ダムを造ると決めたら造るしかないのだから、見直しなんてとんでもない。
いろいろ言いたい市民には勝手に言わしておけばいい。相手にしないのが得策。

そんなふうに考えているのでしょうか…

だとしたら、とても悔しいし、悲しい。

以前の水道局はそうではなかった。

立場は違っても、市の方針に異論を唱える者であっても、その声にきちんと耳を傾けてくれたのに…

この対応の変化は水道局長の指示によるものなのか、市長部局の指示なのか・・

 

いずれにせよ、私たちの申し入れには答えて頂きます。

再評価をするのかしないのか?

しないならば、その理由は何なのか?

文書での回答だけでなく、その理由が納得できるよう私たちに説明をして頂きたい。

その日時や場所はそちらのご都合で決めて頂いていいので、お知らせください。

その説明もしないと言うなら、説明しない理由は何なのか、教えてください。

そのように総務部長さんに伝えました。

少なくとも、その約束だけは守ってください。 

 

 

公共事業評価監視委員会、石木ダム現地調査

10時半、公共事業評価監視委員会委員5名と県の職員がバスから降りたち、現地視察が始まりました。

企画監が地図を見せながら説明しています。

地図上の位置と現場の状況を確認した後、委員の皆さんは地権者の皆さんが用意したテント内に移動し、

地権者や支援者の話を聞く時間を作ってくださいました。

約30分の短時間でしたが、治水・利水についての私たちの考えを伝え、

委員の皆さんはしっかり耳を傾けてくださいました。

地権者の皆さんは、
 
・川棚川はこれまでの河川改修工事で、過去の洪水程度では水害の心配はない。
 それは昨年7月県自身が認めたこと。
 
・100年に一度の大雨でも、一部心配な場所があるがわずか4cm越流するだけ。
 その対策としてダムを造る必要はない。
 矢板を打ってコンクリートで補強する工法ならダムの10分の1の価格で済む。
  
・また、石木川は今まで洪水が起こったことない。
 仮に100年に一度大雨で氾濫しても周りは田んぼなので、河川改修の必要もない。
 
・佐世保市の水需要も年々減っている。利水の必要性もない。
 
・そのような必要性も緊急性も無いダムのために13世帯を追い出すのか?
 
・県や川棚町は住民の同意を得ないうちは工事を始めないとの覚書を無視している。
 
・事業を止めるには天の声が必要。これが最後のチャンス。皆さんには大きな責任がある。
 
などと訴えました。
 
 

終了後、委員長は、

「地権者の皆さんの声を聞けたのは良かった。来た甲斐があった」

「皆さんが問題と思われているところについては、それなりに理解できた」

「今日の現地調査を踏まえて、詳細審議を事務局にお願いする」

と記者団のインタビューに応えていました。

 

私たちは、その詳細審議に期待します!

各委員の理性と良心に希望を託します!

 

今日のTVニュースより。

◆公共事業監視委 石木ダムを現地調査
(NBC長崎放送 2015年08月10日)
http://www.nbc-nagasaki.co.jp//news/nbcnews.php#3

県が、川棚町に計画している石木ダム事業の必要性について再評価する委員会は10日、現地で事業に賛成・反対双方の立場から意見を聞きました。今回の現地調査の中で、県側が川棚川の洪水を防ぐ目的で石木ダム事業を継続し2022年度までの完成を目指すと説明する一方、反対する地権者らは「ダムを建設しなくても川棚川の改修工事を行えば下流域の洪水は防げると主張、石木ダムの必要性はない」と訴えました。石木ダム事業の必要性については、これまで4度再評価する委員会が開かれていますが、現地調査が行われたのはこれが初めてです。委員会では、賛成・反対双方の主張について審議を尽くし、事業の必要性について結論を出したいとしています。
 
 
 ◆石木ダム 監視委が現地調査
(NHK2015年08月10日 19時31分)
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5033896421.html?t=1439212276065

長崎県と佐世保市が川棚町に建設を計画している石木ダムの建設予定地で、公共事業の妥当性を評価する県の委員会のメンバーが調査を行い、ダム建設に反対する地権者から話を聞きました。
長崎県では、実施が決まってから5年たっても着工されていない公共事業などについて、有識者などが妥当性を評価し事業を継続すべきかどうか知事に提言する「公共事業評価監視委員会」を設けています。
10日はこの委員会のメンバー5人が計画が難航している石木ダムの建設予定地、川棚町岩屋郷を訪れ、県の職員から説明を受けたあと計画に反対の地権者らから意見を聞きました。
この中で地権者側はダム建設の目的としている利水について、県などの水の需要予測は過大で洪水対策についてはダム建設よりもコストが安い方法をとるべきだとして、ダム建設中止と提言するよう求めました。
石木ダムは昭和50年に建設が決まりましたが、一部の地権者の反対で用地買収が難航しているため、県は強制的に土地を収用する手続きを進めています。
監視委員会の中村聖三委員長は、「現地を見られて良かった。引き続き慎重に審議をして結論を出したい」と話していました。
建設に反対する岩下和雄さんは、「人の家を強制収用してまで必要なダムなのか。お話ししたことをふまえて判断してもらいたい」と話していました。

 

◆石木ダムどうする?第三者委が現地視察
(NIB長崎国際テレビ 2015年8月10日)
http://www.nib.jp/realtime/news/news_3017284.html

川棚町に計画されている石木ダム建設事業について再評価している第三者委員会が10日、現地調査を行った。

第三者委員会の現地調査は県が石木ダムの完成時期を2022年度に延長し、継続する方針案を諮問したことを受け、詳しく審議しようと行われた。

県の担当者の概要説明と同時に反対地権者の意見も聞いた。

13世帯の反対地権者の全ての土地、家屋について県は、明け渡しを求める「裁決」の「手続き」を開始している。

委員は「地権者の切実な思いが伝わってきた」と話していて、慎重な審議を行うとしている。

 

 

4年ぶりに石木ダム事業評価、県公共事業評価監視委員会

今日、4年ぶりに長崎県公共事業評価監視委員会で石木ダム事業の再評価がおこなわれました。

私たちが同委員会開催日程を知ったのは約1週間前のこと。

びっくり!そして、大慌てで、意見書作成に取り掛かり、何とか先週末までに各委員のお手元へ。

もちろん6月に出版されたばかりの石木ダム対策弁護団によるブックレット「ホタルの里を押し潰すダムは要らない」も同封して。

期待半分、諦め半分で・・・。

 

第三者委員会とか、再評価委員会なるものに、私たちは何度期待したことだろう。

せっせと資料を送り、思いを伝える手紙を添えて。

でも、そのたびに期待は裏切られ・・

第三者と言いつつ、その委員を選出した行政と一体化していたり、

評価委員会と言いつつ、ただ行政の提出した案の追認をするだけだったり、

それが常識のようになってしまっている。。。

 

しかし、昨日の委員会は少し違っていました。

土木部長の挨拶に続き、河川課企画監が説明を始めてすぐ傍聴席から声が噴出、

委員長が何度も皆を制し、傍聴者はルールを守るように!でなければ退出願わねばならなくなる、

と言ったのですが、声は止まらず約30分も紛糾、異例の事態となりました。

 

それは、企画監が説明の冒頭、「今回の評価は工期の変更に伴う再評価で…」と言ったからです。

「再評価というのは事業そのものの再評価であるべき!」

「工期の変更を認めるための会議ではないはず!」

「県は訂正してください!」

企画監は言い直しをしましたが、「今回は社会情勢の変化、工期の変更に伴う事業評価」との表現に、

傍聴席はまだ納得できませんでした。

なぜなら「工期の変更に伴う事業評価」ということは、石木ダム建設工事をすることが前提になっている、つまり石木ダム有りきの再評価に聞こえるからです。

石木ダムの必要性の議論抜きに真の再評価は有り得ないからです。

あくまでも事業の再評価です。少なくとも私としては、石木ダム有りきとは思っていない

との委員長の言葉に、やっと皆は納得し、説明が再開されました。

 

 

資料は膨大だったので、少しずつ区切って県からの説明、その後委員から質問、それに対する県の回答、といった形で丁寧に進められていきました。

記憶に残っている質問や意見としては、

☆事前に県の資料も反対派の資料も目を通したが、どこまでいっても平行線に思える。公益性の判断は既に国から出されているのに、我々がそれに対して評価すべき立場にあるのだろうか?

☆私たちの意見がどれだけの効力があるのかはわからないが、これだけの資料が用意されているので、これについて議論はすべきだと思う。

☆佐世保市による24年度再評価の後のこれまでの実績と予測の数値がほしい。

(企画監より、24,25,26各年度の値が口頭で示された)

☆佐世保市の生活用水が少ないのは事実だが、それを他都市並みにと考えるのはどうなのか?そもそも水を使わないのはいいことだと思うが。

(会場から、そうだ、そうだの声)

☆工場用水が26年度から27年度にかけて急激に跳ね上がっているのは何故か?

(大口需要者の経営方針の変更で水をたくさん使う日が出てくることがわかったからとの説明あり)

☆それはピーク時の値であって、それが平均有収水量のところに入っているということですね?

(声は聞こえなかったが、頷くかなにかして県は認めたのだろう)

☆川棚町の過去の水害被害状況が示されているが、これは川棚川下流域の浸水戸数なのか?

(そうではなく、川棚町全体の数字だとの回答)

☆代替案について費用の面での比較だけがなされているが、全体像がわからない。それぞれのメリット、デメリットが知りたい

(前回のダム検証で詳しく示したが、後ほど提出すると回答)

☆様々な計算結果や検証結果が示されているが、そのやり方を示すマニュアルを提供してほしい

(お示しすると回答)

 

等々、委員の皆さんの、きちんと理解した上で「評価」したいとの思いが窺える質問が多々ありました。

 

ただ、肝心の工期延長に関する質問はほとんどなかったように思います。

私たちは、用地取得がなぜ平成29年度中に終わることになっているのか?それが気になりました。

これまで示された工程表には、付替え道路や本体工事、試験湛水などの項目はありましたが、

用地取得時期が示されたことはなかったと思います。

29年度中に強制収用してしまうという県の意思表示とも、脅しとも取れるものです。

 

それにしても、委員会は、継続審議となっただけでなく、

さらに、より理解するために現地視察が必要との意見が出され、8月10日の実施が決まりました!

 

公共事業評価監視委員会・・・その名に相応しい委員会も存在するのかもしれない。

土木部長の冒頭挨拶「石木ダムについては十分ご審議頂きたい。忌憚のない客観的なご意見を…」に応えるべく、委員の皆さんは今後もしっかり考え、議論し、評価してくださることでしょう。

私たちは、委員会の現地調査と次回委員会に注目しています。

 

 

今日の新聞各紙の記事を貼付します。

 

 

 

三猿同然の佐世保市水道局

 

おなじみ川原地区のシンボル、三猿の櫓です。

県職員の甘い誘いや脅しなど、いっさい「見ざる言わざる聞かざる」の意思表示。

昭和50年代のはじめ頃に地元住民によって建てられ、この信念のもと今も強い団結が続いている。

 

それを見習ってか?このところ、佐世保市水道局も三猿状態です。

『ダム検証のあり方を問う科学者の会』からの二度にわたる意見書を無視!

水需要予測について具体的に指摘され批判されても、何の反論もせず、

ただ「見直すつもりはない」の一点張り。

まさに「見ざる、聞かざる、言わざる」のお猿さんそのまんまです。

 

お猿さんならそれでもいいけれど、

公営企業である水道局がそんなことでいいのですか?

水道局は市、つまり行政と一体になって運営しています。説明責任を果たすべきです。

 

そうしないのは、科学者の会の指摘(佐世保市の水需給計画は非科学的・恣意的で、

石木ダムを造らんがためのもの)が当たっているからでしょうか。

それを自覚しているから、反論する術もなく、無視せざるを得ないのでしょうか。

 

しかし、「科学者の会」の先生方にしてみれば、怒り心頭です。

ご多忙な現役&OBの一流の科学者の先生方が、西の果ての一都市の水事情について、

これほど真剣に分析研究し、提言をまとめてくださったというのに・・・

それを無視されたのですから!

 

8月1日、ついに先生方は、

この再評価を審議した「佐世保市上下水道事業経営検討委員会」に呼びかけました。

以下、その申し入れ文書です。

 

 

2013年8月1日

佐世保市上下水道事業経営検討委員会

委員長  後藤 惠之輔 様

委員   各位

 

 

佐世保市水道の新水需給計画に関する公開討論会の申し入れ

 

「ダム検証のあり方を問う科学者の会」は去る3月11日に朝長則男佐世保市長に「佐世保市水道の新水需給計画についての意見書」を、7月8日に「佐世保市水道の新水需給計画についての意見書(その2)—長崎市・水需給計画と比べてあまりにも非科学的な佐世保市・水需給計画の抜本的な見直しを求める—」を提出しました。その要点はつぎのとおりです。

① 佐世保市水道の水需要は近年は減少の一途を辿っており、今後も人口の減少とともに縮小していくことは必至である。長崎市水道も水需要の動向は同じであって、長崎市は実績の傾向を踏まえ、水需要が長期的に減少していくとの予測を行っている。

② ところが、佐世保市は、水需要が将来は反転して一挙に急増していくという架空の予測を行っている。佐世保市が長崎市のように実績重視の科学的な予測を行わないのは、石木ダム計画への参画を理由づけるために他ならない。

③ さらに佐世保市が長崎市のように利用の実態に合わせて保有水源を正しく評価すれば、佐世保市水道の保有水源は大幅に増加するので、水需給に十分な余裕が得られ、石木ダムは全く無用のものとなる。

 

この意見書に対して、川久保昭・佐世保市水道事業及び下水道事業管理者から7月24日付けで文書による回答があったものの、「現時点において水需要予測の見直しは必要ないものと判断しています。」と答えるのみで、当会が指摘した問題点については一切の説明がなく「回答」の名に全く値しないものでした。

 

佐世保市水道の新水需給計画に関しては貴委員会が3月14日に市に答申書を提出し、その計画を承認しており、この計画の是非について貴委員会も重要な責任を負っています。

 

つきましては、佐世保市水道の新水需給計画について、貴委員会のメンバーと私たち「科学者の会」のメンバーが率直な意見交換、議論を行うことが必要と考えますので、その公開討論会の開催を貴委員会の各位に申し入れます。

公開討論会の日時、場所は相互の都合を調整したうえで決めたいと思います。

貴委員会の方々が学者の良心としてこの申し入れを受けることを強く要望します。

8月16日(金)までに文書でご回答ください。

 

ところが、期限を過ぎても、回答が届かない。

10日過ぎても届かない。

科学者の会は、委員会の事務局である水道局の経営管理課に問い合わせたそうです。

 

〇 8月1日付けで委員8人用に送った申し入れ書は各委員に配ったのか。

   後藤委員長に送ったところ、各委員が個別に対応することではないので、

   次回の委員会で話し合って対応を決めることにするという指示があった。

   したがって、各委員には配っていない。10月の委員会で配布する。

〇 次の委員会はいつ開かれるのか。

   毎年、10月に水道局下水道局の決算報告のために開かれる。今年の日程は未定である。

 

このやり取りを知って、私は、佐世保市民として恥ずかしくてなりませんでした。

私が知っている水道局職員の皆さんは、こんな不誠実な方々ではありません。

自分たちの考えは絶対であり、いかなる異論も批判も受け付けない、聴く耳は持たない?

いつからこんな体質に変化していったのでしょう。

誰がそうさせているのでしょう。。

 

 

付録:「ダム検証のあり方を問う科学者の会」メンバー

今本博健(京都大学名誉教授)(代表)

川村晃生(慶応大学名誉教授)(代表)

宇沢弘文(東京大学名誉教授)

牛山積(早稲田大学名誉教授)

大熊孝(新潟大学名誉教授)

奥西一夫(京都大学名誉教授)

関良基(拓殖大学准教授)(事務局)

冨永靖徳(お茶の水女子大学名誉教授)

西薗大実(群馬大学教授)

原科幸彦(東京工業大学名誉教授)

湯浅欽史(元都立大学教授)

など賛同者 125人

 

水需要予測は何のためにやるのか

26日、待ちに待った回答が届きました。

去る7月8日、私たち2団体が提出した公開質問書
https://ishikigawa.jp/blog/cat09/704/

に対するお答えです。

 

 

 

なんと、16日間もかけて出された回答がこれとは・・・

誠意の欠片もありません。

私たちが示した具体的な質問に何一つ答えなかっただけでなく、

水需要予測は、国庫補助事業として継続採択していただくために行ったもの」であり、

その内示が示されたので「見直しは必要ない」と明言しています。

 

それが水道局の本音だったのですね。

水需要予測は、市民のために適切な水需給計画を立てることが目的ではなく、

石木ダムを造るため、その補助金をもらうためにすぎないんだと自認したわけです。

そこまで正直に書かれるとは予想もしませんでした。

 

これを見た地権者のお一人は、こう言いました。

この回答書はひどいものですね。

トップ次第でこんなに変わるものですか。。

私たちはほとんど関わって来ませんでしたが、

以前の佐世保市はこんなではなかったように思います。

 

これでまた、佐世保市と地権者との溝は一段と深くなってしまいました。 

 

見直すなら、今でしょ!!

2日前、『科学者の会』の意見書提出に同行した私たちは、ついでに?

私たち市民からの公開質問書も提出させていただきました。

タイトルは「佐世保重工業の使用水量の将来予測に関する公開質問書」
https://ishikigawa.jp/blog/cat09/704/

平たく言えば、

「SSKの水使用量がなぜそんなに急増するのか教えてください」というもの。

 

このブログでも、以前この問題について書いています。
https://ishikigawa.jp/blog/cat09/697/

全く詐欺に等しいやり方でしたから、(`Δ´)!こんな感じで書いてます。

 

1.SSKの全体売上は半減しているのに、

  「修繕船部門の売上比率を2倍にする」との発表を利用?して、

  「修繕船の売上高を約2倍に見込んでいる」と説明して、

  2015年度以降のSSK全体の使用水量が5倍に激増すると予測したのです。

 

2.しかも、修繕船部門においては、なんと、なんと!

  4年間で13倍にも増えると予測!(331m3→4412m3)

  開いた口がふさがりませ〜ん!

 

そして、今年5月、SSKの経営計画がわずか半年で見直されました。

予想以上に経営状態が厳しくなったからです。

人員削減をはじめ新たな経営計画が示され、

結果、2015年度の艦艇・修繕船の売上高は95億円に下方修正されました。

それは、4年前の実績の1.1倍です。

 

売上が2倍になると思い込んで?計算した水需要予測に、大きな狂いが生じます。

早急に、新たな条件で計算し直さなければなりません。

一日も早く見直し、より正確な水需要予測を立ててください。

と、お願いすると、

対応した水道局の事業部長さんは、こうおっしゃいました。

「今は見直す時期ではない」と。

 

はぁ?!

時期ではない?

時期はいつなのですか?

事業認定が告示されてから?

数年後、その予測の誤りが明白になってから?

 

それでは全く遅いでしょ!

それはもう予測ではないでしょ!

見直すなら、でしょ?!

 

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科学者の会 佐世保市に再び意見書を提出

今日、「ダム検証のあり方を問う科学者の会」が、佐世保市に意見書を提出しました。

そのタイトルは、佐世保市水道の新水需給計画についての意見書(その2)

          —長崎市・水需給計画と比べてあまりにも非科学的な

           佐世保市・水需給計画の抜本的な見直しを求める—

です。

そう、3月にも意見書を提出されたので、今回は2回目、だから「その2」なのです。

 

意見書はこちら ↓
https://ishikigawa.jp/blog/cat09/703/ 

同時に提出した私たち市民からのSSK水需要予測に関する公開質問書はこちら ↓
https://ishikigawa.jp/blog/cat09/704/

 

全国125名の蒼々たる科学者からなる同会が、一度ならず二度までも佐世保市に意見するのは、

佐世保市の水需要予測があまりにも酷すぎるから。

前回は「極めつけの虚構」と言われました。

今回は、「無理に無理を重ねた最悪の予測」と評されました。

 

今年3月、佐世保市と同じように再評価をやり、

その結果、水需要予測が前回よりも大幅に減少し、

もう本明川ダムに頼る必要はなくなったと結論づけた長崎市水道局。

その資料を取り寄せ、予測の方法を佐世保市の場合と比較分析した結果、

わかったことがたくさんありました。

佐世保市がおこなった予測の出し方の異常さがより明確になりました。

それをズバリ突いた意見書でした。

 

どこからお金が出るわけでもなく、

誰に頼まれたわけでもないのに、

多くの時間と労力を割き、佐世保市民のために、石木ダム問題のために、

まとめてくださった貴重なご意見。

それを、水道局は、前回、無視をしました。

何の回答も何の感想も出さず、ただだんまりを決め込んだ。

 

ひどいと思います。

だから、今回は7月22日までに文書で回答してくださいと書かれていました。

しかし、水道局はそれを守るとは最後まで言いませんでした。

この意見書は市長にも水道局長にも渡し、皆さんのお話は伝えます。

しかし、文書で回答するかどうか、ここではお約束できません。

 

理由は、「我々の主張は公聴会の場で述べ、今は事業認定の結果が出るのを待っている状況だから」。

でも、それは、国交省の問題。

私たちは、佐世保市が厚労省に提出した再評価結果に疑義があるので質問し回答を求めているのだ、

と何度説明しても、「事業認定の手続き中」を理由に、逃げていました。

 

きっと、自信がないのでしょうね。

いえ、自信どころか、指摘された問題の数々が理解できるからこそ、

とてもじゃないけど、公開討論会などできないのでしょうし、

どう回答していいのかもわからないのではないでしょうか。

 

その後、記者会見などすべてが終わって、交流会の席で、今本先生はおっしゃいました。

万が一、強制収用などという強権が発動されたら、

僕も石木に座り込みますよ。

そんなことは絶対させない。

これは僕の科学者としての信念です。

県知事さん、佐世保市長さん、こういう学者もいるってこと、覚えておいてくださいね。 

 

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ヨソクという名のサギ

長崎市の水需要減少によるダム計画からの撤退のニュースに接して、

あらためて佐世保市の水需要予測を点検してみて、気づいたことがあります。

 

今回の工場用水に関する予測がひどすぎることはすでに指摘してきましたが、

いまの率直な感想は「サギ(詐欺)だ〜」と言いたいです。 

 

なぜかと言うと、佐世保市が示した工場用水の需要予測はこうでした。

   2011年度実績=1890m3/日 → 2015年度予測=6604m3/日

わずか4年間で、3.5倍にも急増です。why?

それは、SSKが経営方針を変え、修繕船の売上を2倍に増やす計画があるので、修繕船を洗うための水の使用量が激増すると考えたのだそうです。その考えで予測した結果、

   SSKの2011年度実績=1166m3 → 2015年度予測=6604m3

なんと、5.7倍に水増し! 

売上が倍増すると、なぜ水の使用量が5倍以上になるのか???

呆れ返った『ダム検証のあり方を問う科学者の会』に「極めつけの虚構」と批判され、

予測をやり直すべきという意見書を提出されても知らん顔、

科学者の声に真摯に耳を傾けようとはしませんでした。

 

ところが数日前、SSK(佐世保重工業)の新中期経営計画とにらめっこしていたら、

その売上2倍という情報そのものが事実ではないことに気づきました。

SSKのこの資料をご覧下さい。

 

 

この円グラフに示された「艦艇・修繕船」の売上(赤い部分)は、

確かに13%(2011年度実績)から25%(2014年度)に倍増していますが、

これは売上の割合であり、売上額そのものではありません

売上高そのものは、 

 

 

661億円(2011年度実績)から、400億円(2014年度予測)に減少しているのです。

ということは、修繕船の売上そのものは

86億円(661億の13%)から100億円(400億の25%)、つまり、わずか1.16倍にしかならないのです。

2倍になるのは売上比率で、売上額は1.2倍にも満たないのに、

売上が2倍になるからドック入りする船の数も2倍になると説明し、

その結果、水の必要量は5倍以上になると予測!

これを詐欺と言わず、何と言えばいいのでしょう?

こんな予測を誰が信じるでしょう?

 

水道局長さん、市長さん、ホントにホンキで、こんな予測を出されたのですか? 

おそらく誰一人本気ではないでしょう。

 

なぜこんなデタラメな詐欺のような予測を平気で出せたのか…

それは、誰も責任を取らなくて済むからでしょう。

 

SSKのような一般企業は、そうではありません。

厳しく問われます。

自分の地位や将来がかかっています。

だから、わずか半年前の経営方針でもすぐに修正・撤回をするのです。

 

水道局長は数年で交代。

5年後の再評価の時期にはもういない。

次の局長が、「前回の予測と現在の実績は大きく乖離していますが、その理由は…」

と、リーマンショックや異常気象などのせいにしてきた先輩同様、言い訳すればいいのです。

 

誰も責任を問われず、誰も責任を取らない。

それがサギ同様のヨソクを許しているのだと思います。

そのヨソクに基づいてダムが造られ、自然も地権者の暮らしも破壊されたら… 

 

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