3月11日午前9:30、佐世保市副市長応接室にて、意見書が提出されました。
タイトルは、「佐世保市水道の新水需給計画についての意見書」
提出したのは、「ダム検証のあり方を問う科学者の会」
提出者、今本先生は京都大学名誉教授で、
ここにあるように、同会の共同代表を務めておられます。
会員125人を代表して、はるばる京都から、駆けつけてくださいました。
はじめに同会が発足した経緯を簡単に説明され、さらにこう付け加えられました。
「この会はダムを否定するものではありません。公共事業を否定するものでもありません」
「私たちは、科学的な検証が行われることを求めています」
そして、応対した副市長に、市長さんに伝えて欲しいとおっしゃったことは、
「今回の佐世保市の水需要予測には看過できない疑義があります」
「私たちが行った予測では、佐世保の水は足りています」
「佐世保市は、5年前と同じ間違いを再び犯そうしている」
「ダムを造れば地元が犠牲になるだけでなく、佐世保市民の負担も増えます」
「是非、見直して欲しい。市長さんの英断を求めます」
それに対して副市長は、必ず伝えると約束し、
「しかし、水が不足しているのは事実です」
「ローカルテレビでは毎日最後に、今日の貯水率を伝えています。
過去2回も大渇水を経験した市民は、それほど水にビクビクして暮らしています」
「合併地区の雇用を守るために、いま小佐々に17haの工業団地を計画しています。
同様の団地が武雄市に造られていますが、ここでは3,000トンを確保しています。
地域の発展のためには水が要るんです」
それまで黙っていた地権者の I さんが、声を上げました。
「佐世保市の地域の発展のためなら、私たちはどうなってもいいんですか?」
「佐世保市が豊かになるために、私たちは犠牲にならなければいけないんですか?」
「40年前、佐世保市が川棚町議会に出した水源量は、今よりも3万トンも多かったんですよ。
その3万トンはどこにいったんですか?
佐世保市は、有る水を捨てて、ダムを造ろうとしているんじゃないんですか?
答えてください」
「すみません、時間なので…」と言って、終わりにした副市長。
確かに約束の時間が来ていましたが、
答えられなかったから…というのがホントのところでしょうね。
副市長さん、水道局長に言って、きちんと回答してくださいますよね?
このあと、記者室で、1時間ほど記者会見をして、
その後、水道局へ行き、同じ意見書を、水道局長と、
今回の再評価で意見を述べてきた、佐世保市上下水道事業評価監視委員会宛て、
計9部を、今本先生が提出されました。
受け取ってくださった事業部副理事さんに、私はくれぐれもお願いしました。
「14日は最終の委員会ですよね?その前に必ず委員の皆さんにお渡しくださいね」
副理事さんは、
「はい、時間もありませんが、まずは委員長に渡したいと思いますので…」
それはそうでしょうが、それを理由に各委員には間に合わなかった…とならないようお願いしますね。
もしも、委員会当日までに委員さんたちの手元に届かなかったら、
委員会の最終回を、延期していただきたいですね。
それほどの価値あるものなのですから。
内容については、たくさんの表やグラフを使って、本当にわかりやすく客観的に分析されています。
などなど。
そして、最後に、このようにまとめられています。
石木ダム建設推進という呪縛・・・本当にそうです。
県も市も市民の何割かも、この呪縛にがんじがらめになっています。
だから、本当のことが見えない、見ようとしない…のだと思います。
今本先生は、記者会見のとき、おっしゃいました。
ここに限らず、どこでもダムを造りたいところは、水需要を右肩上がりにするんです。
でも、今回のこれはひどい。
こんな予測を出したら、佐世保市水道局は日本中の笑い者になりますよ。
これを承認した学者の方と、私は是非、意見交換をしたい。
同じ学者として、真剣に議論したいです、と。
私たち市民もそれを切に望んでいます。