知事の訪問に住民が応じない理由

「地元住民の声を聞こうともしない知事と会って話すことなどありません」
この張り紙は、こうばる住民が抗議の座り込みをしているテントに張られたもので、知事へのメッセージです。

「大石知事が11ヶ月ぶりに現地訪問」「住民側が拒否」「面会実現せず」
このような文言をテレビや新聞で目にした県民の皆さんは、どのように思われたでしょう。

・せっかく知事が訪問しているのになぜ拒否するの?
・張り紙には「住民の声を聞こうともしない知事」と書かれているけど、知事は声を聞きに来たのではないの?聞こうとしているんだから応じればいいのに…
・どちらも話し合いを求めているみたいだけど、どちらも相手が応じないと言っていて、さっぱりわからない。

こんなふうに感じた人も少なくなかったのではないでしょうか。
これまでの経緯をよく知らない方がそう思うのは当然かもしれません。
この機会に、これまでの経緯について、ぜひ関心を持ってください。事実を知れば、なぜこのような事態に至っているのか、ご理解いただけると思います。

昨年3月長崎県知事に就任した大石賢吾知事は、対話を重視する姿勢を示し、4月には住民と共にこうばるを散策し、「ふるさとは尊い」と語りました。
そのような知事に希望を感じた住民の皆さんは、8月と9月の2回、知事との話し合いに応じました。応じたと言うより、それは住民の皆さん自身の希望でもあったのです。

前知事中村知事には住民の方から何度も話し合いを求めていましたが、実現しませんでした。今度の知事ならちゃんと話を聴いてくれ、意見交換ができそうだ、そんな期待感が芽生えていました。

しかし、実際の話し合いは、これまでと同じで、県は県の論理で石木ダムの必要性を説明するだけで、住民の本当の疑問には答えようとしなかったのです。

例えば、治水面で言えば、県が想定する100年に1回の大雨が降ったとき、川棚川の山道橋付近では毎秒1400㎥/秒の水が押し寄せてくる。そうすると堤防から水が溢れ流域の家は浸水被害を被る。それを回避するためには、上流の野々川ダムで80㎥/秒、石木ダムで220㎥/秒の流量を減らす必要がある。

と県は説明するのですが、そもそも100年に1回の大雨というのが、降水量だけでなく、雨の降り方に様々なパターン(短時間でドバーッと降るとか、1日中満遍なく降り続くとか)があり、本当に1400㎥/秒の流量となるのか?これは過大すぎるという専門家の見解もあるのです。治水計画の基本となる数値が間違っていたら、ダムの必要性そのものが揺らぎかねないので、根拠が示されるまでは納得できませんよね。

また、利水面でも疑問はたくさんあって、住民側から多くの質問が出されたのですが、その話し合いの場に佐世保市が参加することはなく、県の職員が佐世保市の主張を代読するというごく形式的なものに終りました。

これでは話し合いの意味が無い。県や市の一方的な主張だけでなく、治水や利水の専門家も交えて公開の場でしっかりと議論したい、意見交換をしたいと住民の皆さんは求め続けているのですが、県はそれにはどうしても応じません。

それどころか、先日(12月5日)の県議会では、「我々としましては、今この時点においてダムの必要性を議論する段階ではないと考えております」との知事の答弁を聞き、住民の方はがっかりされました。

知事(=県)が求めている話し合いは、生活再建のこと。つまりダム建設が前提の話し合いであり、ダムの必要性について話し合いたいとの住民の要望は全く無視しています。
だから、「地元住民の声を聞こうともしない」と書かれてしまったのです。

知事、佐世保市長、あなた方には説明責任があります。
もう何回も説明したと言われるでしょうが、形だけの説明を何度やっても責任を果たしたことにはなりません。ダムのために犠牲を強いられる立場の住民側が納得する形の説明が必要です。
それは、公開の場で、地元住民だけでなく専門家も交えた、公正な議論の中で行なわれる説明です。

県も市も二言目には「ダムの必要性については司法の判断が出ている」と責任転嫁しますが、あれは「石木ダムの事業認定を取り消さなくてもよい」「石木ダム工事を差し止めなくてもよい」という判断に過ぎません。行政自らが改めて事業評価を行ない、石木ダム建設の是非を決めることに何ら問題はありません。

事業の見直しに遅すぎるということはありません。
大石知事と宮島市長の勇気ある行動を待っています。

今 こうばるで何が起きているのか

言い換えれば、県は今こうばるで何をやっているのか、ということ。
この事実を多くの県民に知ってほしい。そして考えてほしい。
これが許されることなのかどうか。

田畑への土砂搬入

田への水路破壊(上:水が流れている 下:石や土で水路を埋めてしまった)

川の破壊

墓石も土砂に埋まりそう

3月22日午後、長崎県は川原(こうばる)住民3世帯の方の田んぼに、重機でいきなり土砂を搬入し、イノシシ除けの防護柵を撤去し、用水路まで破壊しました。「来週は田植えのための田起をしようと思っていた矢先だったのに…」と皆さんは肩を落とし、他の住民の方々と共に、県に抗議しました。

・強制収用した土地だからといって、予告無しに何をやってもいいのか?

・田畑を破壊するのは生活基盤の破壊だ。

・私たちに「耕作するな」と言うのは「生活するな」と言うのと同じだ。

・防護柵はイノシシ除けに私たちが設置したもので私たちの所有物。無断撤去はできないはず。

しかし、県は謝罪するどころか反論しました。

・皆さんには2月の時点で既に「事業用地内での耕作など」しないよう求めた文書を送付済みである。

・我々は県民の安心安全のため石木ダム工事を工程通り進める必要がある。

 

県や佐世保市など起業者(行政)の主張はいつもそうです。

・石木ダムは県民の安心安全のために必要であり、早く完成させねばならない。

・我々は土地収用法などの法に則って手続きを進めている。

 

法に則っていれば全てOKなのでしょうか?

法律の中には古くて時代に合わなくなったものもあるし、時の権力者によって都合良く解釈されたり、改悪された法律もあります。

法律は絶対ではありません。
全ての国民にとって則るべき最高法規は憲法です。
長崎県のやり方は憲法に照らしてどうなのでしょう?

憲法29条は「財産権は、これを侵してはならない」と明記した後で、「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用いることができる」とも規定しています。

石木ダムの場合がまさにそうだ。川原の方の私有地が石木ダムという公共事業のために必要だ。だから正当な保証金を支払って収用したのだから憲法にも沿っている。と、長崎県や佐世保市は主張しています。

が、その主張が正当なものであるとは、どうしても思えません。

理由その1.
石木ダムは本当に「公共のため」と言えるのか、そこに大きな疑問があるからです。もし現時点において公共性の低いものであれば、当然見直しが必要であり、そこを住民の方は問い続けているのに、行政側はそれに応じません。「司法の判断が出ている」とか「議論する段階は過ぎた」とか、第三者から見ればまるで検証することから逃げているかのです。

その2.
「公共事業は法に叶い、理に叶い、情に叶うものでなければならない」(下筌ダム反対運動の室原知幸氏の言葉)は、今や国交省のお役人が大切にしている言葉のようですが、長崎県のやり方は情を逆撫でしてばかりです。

当初の久保知事は覚書(住民の了解無しにはダム建設は行わない)を無視したまま事業に着手し、次の高田知事は機動隊を導入して強制的に測量し、その次の金子知事は話し合いをするためだと県民を欺き事業認定申請を行いました。

だからこそ石木ダム工事差止控訴審の判決文の中には「地元関係者の理解が得られるよう努力することが求められる」と書かれていました。(2021年10月:福岡高裁)

半世紀前に計画された石木ダムは今や必要性が欠如した賞味期限切れ事業なのですが、仮に石木ダムが本当に公共の役に立つ事業であったとしても、川原住民にとってはかけがえのない故郷、家や田畑、コミュニティを奪われるのですから、犠牲を強いられることへの反発があっても当然です。その認識があれば、起業者(県)は住民の理解が得られるまで何度でも話し合い、真摯に対応し続けるはずです。

しかし、長崎県の対応はそうではない。予告もなく水路を破壊したり田畑へ土砂を投入したり…そんな乱暴なやり方では、理解を得る可能性はますます失われるばかりです。

その3.
本当に法に則っているのか?ここにも疑問があります。
確かに県は川原住民の土地を強制収用し、明け渡し期限から既に3年が過ぎています。住民が明け渡さない場合は行政代執行して工事をすることができます。しかし、その行政代執行法によると、その手続きは次のように規定されています。

第3条第1項「代執行をなすには、相当の履行期限を定め、その期限までに履行がなされないときは、代執行をなすべき旨を、予め文書で戒告しなければならない第2項「義務者が、前項の戒告を受けてもその義務を履行しないときは、当該行政庁は、代執行令書をもつて、代執行をなすべき時期、代執行のために派遣する執行責任者の氏名及び代執行に要する費用の概算による見積額を義務者に通知すると。

今回の場合、そのような戒告文書も代執行令書も何も届けられずに、いきなりでした。代執行法違反の代執行だったのではないでしょうか?

また、行政代執行の実務(金沢河川国道事務所 用地第二課)によると、「戒告がなく,又は戒告が効力を生じていないにも関わらず代執行令書を発行しても,それは無効であり,代執行そのものも無効となる」と書かれています。用水路や田畑、イノシシ防護柵など全て元通りに戻すべきではないでしょうか。

また、『土地収用法の解説と運用Q&A』のQ463に対する回答欄にはたとえ占有者が無権原で収用地の占有を継続しているのであっても、無断で工事施工することはできない」と書かれています。

つまり長崎県は、土地収用法にも行政代執行法にも違反して強引に工事を進めているようです。

このような横暴な県のやり方を許しているのは私たち県民の無関心です。新聞やテレビが報じても、自分には直接関係ないことだからとスルーしてしまいがちですよね。それでいいのでしょうか?

昨日、長与町議の八木さんがツイッターで呟いておられました。

私の石木ダム反対活動に「長与町議は長与のことだけやれ」と言った人がいましたが、県税国税も投入されていて誰にも無関係ではない事業だし、何より長崎県が行っている以上、県内どの市町で同じ強制排除が起きても不思議ではなく、他町だからと許す人は自分の身に起きた時にも文句言えないですよ。

ホントにその通りだと思います。
他者への人権侵害を見て見ぬふりしていたら、いつか自分にもそのようなことが起きるかもしれない。自分だけでなく、家族や友人たちにも。そんなの困る!イヤだ!と思うか、自分の周りでは起こらないさと思うか、そこが要です。後者が多い現状では圧政も許されてしまいます。

もし自分が大切にしているものを権力によっていきなり壊されたり奪われたりしたら?そのとき自分一人で何ができるだろうと考えてみる。そんな想像力の有無が未来のあり方を左右するのではないでしょうか。
だから、私はこの問題に無関心ではいられないのです。

先月、佐世保で開催されたシンポジウムで斉藤幸平さん(哲学者で『人新世の資本論』)は語っていました「いつも犠牲になるのは少数派の弱者で、それを放置し続けた結果、公害や貧困、人種差別、気候変動等々さまざまな社会問題が山積してしまっている。これをなんとかするには、一人でも多くの人が共事者(当事者にはなれないけれど、関心を持って共に考える人)になることが必要だ」と。

忖度や同調圧力が蔓延し、自分の意見が持てなくなったり声があげにくくなったり…そんな時代だからこそ、少しだけ勇気を出して、佐世保市民にとって身近な公共事業『石木ダム問題』について、それぞれが関心を持ち、考えてみませんか。

そして、考えるためには、現場に足を運ぶことが一番です。
自分の目で見て感じてほしい。
いま川原で何が起こっているのか。
まずはそこから。

 

鯉のぼりと看板「緑のダムで!!治水も利水も 石木川ホタルの光 永遠に」

ご先祖様もびっくり!

手を合わせているのは大石知事。
そこは長崎県川棚町川原地区にある墓地の前。
そこに眠っているのは、川原地区(石木ダム建設予定地)13世帯のご先祖様。

ダム建設のことでご苦労をおかけしてきたことを心苦しく思っている、お線香をあげたかった・・・と。

4月20日、大石知事は石木ダム建設予定地を再訪し、住民の案内で川原地区を歩きました。それは、知事就任間もない3月10日、挨拶に訪れた際に住民側から「こうばるを歩いてほしい。私たちが守ろうとしているものを見てほしい」と言われていたからです。

案内人の1人岩下すみ子さんは「それが実現するとは思わなかった。びっくりした」と、インタビューに嬉しそうに答えていました。

すみ子さんは限られた時間を有効に使おうと、事前にコースを考えたり、写真や資料を準備してこの日に臨みました。ところが、予定外のことが・・・

川原を一望できる場所で説明した後は石木川の方へ下る予定だったのですが、知事の方から「この近くに皆さんのご先祖のお墓があるそうですね。お参りしたいのですが」と言われ、案内することになったそうです。

その映像をニュースで見た人の中からは、「そこまでやる?」「あざといね」「パフォーマンスに騙されるな!」等々の声も聞こえてきましたが、すみ子さんたちは本当に感動したそうです。

歴代の知事に何度も騙され欺かれてきた住民の皆さんが、こんなに素直に喜んでくれていることを、知事も背中にずしりと感じたことでしょう。この日はちょうど岩永サカエさんの一周忌。「権力って恐ろしかね~」「でも、うったちは死ぬまでここを離れんよ」「死んでもここを守っていくさ~」と語っていたサカエさん。

そのお墓の前で知事が手を合わせてくれたのですから、同行した娘のMさんもどんなに嬉しかったことでしょう。

サカエさん自身はどう思ったかな?「よく来たね。あんたは今までの知事とはちょっと違うごたるね。こうばるはあんたに託すからね。しっかり守ってくださいよ」とささやいたかな?それとも「娘たちは騙せても、私たち死者は騙されんよ。あの世からしっかり見てるからね。変なことをしたら化けて出るよ」と脅したかな?

きっと前者でしょうね。

知事は訪問終了後、記者団からのインタビューに答えて「ふるさとは尊いと認識した」と語りました。

もちろん「この尊いふるさとを残すために石木ダムは中止します」なんて、そんなに簡単に話が進むはずはないでしょう。

しかし、知事は「今後は、住民の工事中断への思いを含めてしっかりと話を聞く機会を設けたい」と述べ、住民からダム建設に関する考えを直接聞く場を設けたいという意向を示しました。

その言葉を住民の皆さんは嬉しく受け止め、信じています。

私たちも同じ想いです。「こうばるを歩いてみます」との約束を果たしてくれた知事なので、「石木ダムに関する住民の考えをしっかり聴く機会を設けたい」という言葉も実現してくれると信じています。

大石知事、住民の皆さんも私たちも、そして、お墓の中のご先祖様も次の来訪を心からお待ちしていますよ。

こうばるで人間の鎖

11月25日、平日の午前という時間帯にもかかわらず、「こうばる」に続々と人が集まってきました。

100人集会のはずが、なんと230人を超えました!
用意した地図やスケジュールが書かれたプリントもリボンも底をついてしまいました。

いよいよオープン!
実行委員長の炭谷さんによる挨拶と

I女性会議の皆さんによる合唱=石木の小川(春の小川の替え歌)に続いて、

参加者によるリレートークが始まりました。
トップバッターは、なんと千葉県からやってきた方です!

中台ヒデ子さん(水問題と八ッ場ダムを考える千葉の会)

私たちは無駄で危険な八ッ場ダムを止めようと、1都5県(東京、群馬、栃木、埼玉、茨城、千葉)で住民訴訟を起こしましたが、全て敗訴となりました。八ッ場ダムはもうできてしまいましたが、今でも生態系への影響や造成地の地滑りなどの危険があり、見守り続けています。もうこれ以上ダムは要りません。こうばるに平穏な暮らしが戻るよう、子どもたちの未来に持続可能な社会が残せるよう、共に活動を続けましょう。

その後も県内外の支援者や議員の皆さん10人がマイクを握りました。

松本美智恵(石木川まもり隊)私たち佐世保市民が水不足で苦しんでいたのは過去のことです。いま私たちは全く水に困っていません。しかし、行政は半世紀前のダム計画に縛られ、莫大なお金をつぎ込んで自然を壊し、住民の生活権を侵害しています。ダム建設を止めるには石木ダムは要らないという世論が必要です。この集まりが、2回目、3回目と続き、その度により多くの人が集まることを願っています。そうなるよう、どうぞ皆さん、力を貸してください。石木ダムは要らない!という声を大きく広げていきましょう。

田代圭介さん(石木川の清流とホタルを守る市民の会)私たちは長崎市の街頭で石木ダムの必要性を問うシール投票をやりましたが、NO!という方が圧倒的多数を占めています。他でやられたアンケートの結果も同様で、多くの県民が石木ダムは要らないと思っています。また、1972年、当時の久保知事はダム建設は住民の同意を得た上でやるという覚書を交わしています。この約束を守るよう私たちは言い続けていますが、中村知事は無視したままです。約束を守るのは最低限の義務ではないでしょうか。地元の皆さんと連携して、引き続き闘っていきます。

坂田昌子さん(国連生物多様性の10年市民ネットワーク)東京の高尾山からやってきました。私たち「ケンジュウの会」は高尾山に圏央道を通す計画に反対してきましたが、私たちの土地は強制収用され、圏央道はできてしまいました。1本の木を伐ればどれだけの命が失われるか。川には生きものがうじゃうじゃいます。こうばるの皆さんがこの自然を守ってきました。それは世界の趨勢です。国連では、多くの学者がアセスメントをして報告書を提出しましたが、そこにはダムはもうダメだと書かれています。ダム反対を叫ぶのは世界の流れだということを共有し、手を繋いでいきましょう。

安江綾子さん(いしきを学ぶ会)こうばるが大好きで、ここを守っていきたいと思っています。今回の衆院選で石木ダムに反対する2人の議員が当選した意味は大きいと思います。来年は知事選です。選挙で政治を変えていきましょう。石木ダムを造らせないという運動を多くの方と手を結び、広げていきましょう。

白川あゆみさん(参院選候補者)来年の参院選を目指し活動しています。環境を守る、暮らしを守ることについて、私たち若い世代がもっと声をあげていかなければと思っています。この看板を撤去し、こうばるの皆さんの幸せを取り戻すために、私も全力を尽くしていきたいと思います。

堀江ひとみさん(県議会議員)県議となって15年目です。議会ではずっと石木ダムは要らないと言い続けてきました。明日から定例会が始まりますが、今回も知事に質します。知事は毎回「誠心誠意対応します」と言うけれど、そうであるならば、工事を中断して話し合いをすべきではないかと。本日お集まりの皆さんの想いも届けてまいります。

山田勝彦さん(衆議院議員)私は選挙直前の地元紙の質問に対して石木ダムは不要との立場を示しました。治水、利水の代替案をテーブルに載せてゼロベースで議論すべきであり、住民の人権を第一に考えるべきだと主張してきました。立場の弱い人、困っている人の力になるために政治はあります。一日も早く、ほたるの川のまもりびとの平穏な暮らしを取り戻しましょう!

田村貴昭さん(衆議院議員)なぜ石木ダムが必要なのか、佐世保の水が足りないという。その上今後急激に水需要が増えるという。しかし、その根拠は県も佐世保市もまともに説明できない。また、洪水対策としても必要と言うが、今は異常な雨の降り方をする。ダムでは防げない。むしろ下流域に甚大な被害を及ぼしている。もう二重三重の意味で石木ダムは要らない。公共事業チェック議員の会は皆さんと連帯して石木ダムが中止になるよう頑張っていきます。

嘉田由紀子さん(参議院議員)いまコロナで医療費がどんどん嵩んでいる。そういう時に皆さんの税金を公共性の低い事業に注ぎ込んでいいのでしょうか?公共事業には科学的な担保が必要です。昨年7月の球磨川豪雨の後、国交省は川辺川ダム建設に舵を切り、ダムができたらどれだけ水位が下げられるかデータを出しました。それを基に検証したら、あの水害で亡くなった50人中48人の方が川辺川ダムがあっても助からなかったということが分かりました。この石木ダムも科学的データに基づいて必要性が無いことを、山田さん、末次さん、地元新議員と共に国会で示していきます。皆さん、応援してください。

末次精一さん(衆議院議員)数年ぶりにこうばるを訪れ、この光景に唖然とし、自分の無力さを痛感しております。私は県議時代にダムの代替案を示し多くの賛同を頂いていましたが、大きな政治の力で潰されてきました。今回やっと国政の場に立つことができ、より大きな力を持たせていただきました。以前こうばるの方が「三度の食事のおかずはダムの話」と言われたのが心に強く残っています。私はその方に「当たり前の普通の食卓に戻します」と約束しました。その約束が果たせるよう、皆さんとともに頑張っていきましょう!

どなたも本当に熱い思いの籠ったトークでした。

続きまして・・今度は聞くだけではなく、
みんな一緒に叫ぶ「まもりびと宣言」です。
実行委員に続いて皆で復唱しました。

私たちはこうばるを守ります!

  →私たちはこうばるを守ります!

こうばるの里山を

  →こうばるの里山を

石木川の清流を

  →石木川の清流を

子どもたちに手渡したい!

  →子どもたちに手渡したい!

こうばるの集落を

  →こうばるの集落を

水の底には沈めません!

  →水の底には沈めません!

こうばるの人々を

  →こうばるの人々を

その暮らしを

  →その暮らしを

私たちは守ります!

  →私たちは守ります!

力を合わせて守りましょう!

  →力を合わせて守りましょう!

 

こうばるの田んぼで230人が叫んだ「まもりびと宣言」、きっと県職員にも届いているでしょう。だって、あちこちに監視カメラがあるのだから。

さて、いよいよ人間の鎖です。230人を超える人々がピンクのリボンを介在して手を繋ぎ(コロナはまだ終息していないので)、長い鎖となりました。

その繋いだ手を一斉にあげたとき、

想いが一つになったような感動を覚えました。

ここで集会は終了ですが、山道を歩ける人は班ごとに、座り込みの現場まで歩いていきました。

石木川を渡り、

現場で座り込んでいる人たちの説明を聞き、

鎖にしたピンクのリボンに想いを書いて、森のレストラン(こうばるの皆さんが森の中に作った休憩所兼お弁当を食べるところ)に張ったロープに、お御籤のように結び付けました。

参加者の中には、久しぶりに現場を訪れ、その変貌ぶりに言葉を失う人、初めて訪れ、ダムのダの字もできていないことに驚く人など様々でしたが、この皆さんが、今度は1人でひょっこり、あるいは友人を誘って、この現場で共に座るために来てくださることを心から願っています。

またいつか、こうばるで会いましょう!  (‘◇’)ゞ

水道復旧しました!


こんな感じで、こうばる広場に置いてあるダンボールを開けて、水を入れるビニル袋を取り出し、


せっせと給水車から水をもらうほずみたち…


そんな大変だった5日間ですが、8/18の午後5時45分、水道が無事に復旧しました!!

みなさん、ご心配おかけしました。

おかげさまでなんとか危機を一つ乗り越えました。

8/19(木)、こうばる地区は久々に良い天気。

大雨の後片付けが始まりました。


ちょっと心配なのは田んぼの水路が詰まっていて水が流れてこないこと。


復旧作業が急がれます。


今日の石木川は数日前の大雨が嘘のように清流、穏やかな流れです。

耕作放棄地の草刈りも続きをやりました!


少しずつですが進んでいます。

しかし、イノシシよけの電気柵の電線を間違ってノコギリガマで切ってしまった。。

父に失敗した時の改善策を聞いてみます。

外は暑かったですけど、猛烈な暑さの峠は越えたのでしょうか?

室内は最高28度でした。

明日は、コロナワクチン1回目の接種日です。

どうなるかわからないので、用心して過ごします。

こうばるほずみ

石木ダム工事用の仮設橋が崩壊

こんにちは。

facebookもようやく復帰し、Twitterでも発信を続けております。

Twitterでは、ダムに関してさまざまなつぶやきが見受けられますが、

「大戸川ダムや石木ダムを作るお金があれば、もっと他にやれることがたくさんある。」

ほんとですよね〜

こちらの方は、こんなつぶやきを。

そう、おっしゃる通りです、治水には優先順位があります。

今回、石木川流域で1,000ミリを超える猛烈な雨が降りましたが、本流の川棚川は氾濫しませんでした。

現場に人が住んでいて行政への説明責任に疑問を呈しているという状況の中、石木ダムを強引に作ることが、川棚川の治水の優先順位、ホントに一番!「長崎県の最重要課題」なのでしょうか?

さて、ここで箸休め。

イノシシが泳いで石木川を渡っていました。

2021年8月15日撮影。

8/11から15くらいまで降り続いた大雨により、長崎県が付け替え道路を強行するために勝手に石木川の護岸を破壊して作った仮設橋が崩壊しました。

撮影現場は、石木ダム本体工事に向けて作った仮設橋。

…があったのですが、跡形も無くなってしまいました。

ちょうどその仮設橋があった地点をイノシシが泳いで渡っていました。

あ!

ここで朗報です。

水道管無事に復旧しました!

よかったよかった。

こうばるほずみ

岩屋川沿いの町道 崩壊!

今夜9時前のNHKローカルニュースの映像です。https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20210814/5030012361.htmlここは、いつも抗議行動の現場に行くときに通る道。午後、こうばるの方から「水流で護岸がえぐられ、道路が通れなくなった」と聞いてはいましたが、こんなに大きく崩れていたとは・・・。

左の川は、石木川の支流の岩屋川です。小川のような石木川よりさらに細くて小さな岩屋川。その川がアスファルトの道路を破壊するとは!増水した川の威力をあらためて思い知らされました。

この道路の下を通っていたのでしょうか?水道管も破損し、9世帯で断水となっているそうです。一日も早い復旧が待たれます。

中には、ここはダム水没予定地なので、復旧工事は後回しにされるんじゃないか・・といった不安の声もきかれますが、そのようなことはあってはならないし、あるはずないと信じています。

それにしても、今回の雨は長い!予報では、来週もほとんど傘マーク。明日夜までに、まだ200mmも降る可能性があるようです。

総雨量(降り始めからの雨量の合計)は、県内では雲仙岳が最高で917mmとのこと。

ん?まてよ?たしか虚空蔵はもっと多かったのでは?

NAKSS(長崎県河川砂防情報システム)によると、観測局「虚空蔵」(川棚町木場郷=こうばる地区の隣で石木川上流地点)のデータは、14日18時の時点で、1027mmを示しています。

 

このグラフの下の部分をご覧ください。

この降り始めがいつなのかというと、11日の朝の6時からです。3日と12時間で1000mmを越していたんですね。

ちなみに13日10時の時点では409mmで、

14日10時の時点では985mmだったので、


985-409=576     つまり、24時間雨量(1日で降った雨)は576mmも!

石木川の上流でこんなに降っても、石木川も川棚川も氾濫していません。

やはり、石木ダムは必要無し!ですよね。

こうばるの雨音

石木ダム水没予定地は本日雨。

こうばる地区には良い雨が降っています。

石木川も少しずつ太ってきました。

佐世保市のダム貯水率も90%を超えるでしょう。

なんせ、佐世保市は90%を切ったら渇水対策本部設置に前のめり気分ですから!

ところで、わたしの家の裏庭から雨の音と石木川から引いた水の音を聴いてください。

雨の音、川の音に癒されます。

こうばるほずみ

水没予定地に残る戦争遺構

石木ダム建設予定地、今日は少し晴れたり曇ったり。

成果が出やすい場所の草刈りを。

Before…

After!!!

この畑は太平洋戦争末期に川棚海軍工廠の疎開先で一度強制収用された場所。

壁が未だにコンクリートでガッチリ固められており、バッチリ戦争遺構として残っている。

でも、川棚町はこの場所を遺構から外している。

理由は、ご存じの通り。

ここは石木ダム建設予定地で、

ご当地川棚町の町長は過去に石木ダム推進団体の会長を務めていたほど実は人気のない人だからです。

ちなみに山口文夫町長が住んでいる三越(みつごえ)地区にある戦争遺構の魚雷発射試験場跡地は竹灯籠祭りを
市民の有志で始めて長崎県の今月の広報にも取り上げられている。

今月2021年8月号の長崎県広報の特集は川棚町だけれど、

この中に30年以上つづく「こうばるほたる祭り」や、

ゲンジボタルの乱舞スポット、

清流石木川のシーボルトコレクションについては一切触れられていない。

まるで石木(こうばる地区)だけを除外するかのように。

ここはひとつ、

長崎県広報課096-824-1111
FAX095-829-1115

まで抗議の電話・FAXをみなさんご協力よろしくお願いします!

こうばるほずみ

ナルトサワギク

ようやく県が重い腰を上げました。
ナルトサワギク対策のことです。
石木ダム建設工事現場には最近こんな看板が立てられています。
ナルトサワギクとは、こんな花。
沢沿いに分布する在来種のサワギク(沢菊)とよく似ていますが、1976年に徳島県鳴門市の埋立地で発見された外来種です。毒性の強いアルカロイドを含み(オーストラリアでは家畜の中毒死が多く報告されている)、繁殖力がきわめて強いので在来植物を駆逐する危険性が大きいことから特定外来生物に指定されています。

そのナルトサワギクが石木ダム工事現場のいたるところに見られることに私たちが気づいたのはこの春の3月のことです。(以下は4月5日に撮影)

こちらは4月14日撮影

そこで6月4日、「石木ダム建設に反対する川棚町民の会」を中心に、私たち8団体はナルトサワギク防除の申し入れを正式におこないました。
ナルトサワギク防除の申し入れ書
しかし、申し入れ書への回答は全く無く、同会は7月1日と20日にも県庁を訪れ抗議しました。

ところが、翌21日、県は土壌汚染対策法の手続きが67%も無届けだったことを公表し、県民に陳謝したのです。土対法が指定する有害物質とナルトサワギクは関係ありませんが、法律で義務付けられた調査や届け出を怠っていた事例が3分の2以上もあったということに、やはり・・という想いが湧いてきます。
というのは、長崎県はやると決めた事業は何が何でもやる、必要性や安全性に対する客観的な裏付けを軽視する傾向があると感じていたからです。

土対法違反の反省からなのか、石木ダム工事現場では急にナルトサワギクの対策作業が始まりました。
道路の上にシートを広げ
シートの端に木片を巻き付け、
こんなふうに法面を覆っていました。

作業員の方に、
「ナルトサワギクを引っこ抜いてから覆っているんですか?」
と聞いたら、
「いや。何もせず、ただ上から覆っているだけです」
との答えが返ってきました。

それで大丈夫なのかな?
駆除方法としては「根ごと抜きとる手法が望ましい」と書かれているけれど。(広報かわたな8月号)
おそらく抜き取る時間がないと判断したのでしょう。
なぜなら法面に近づいてみると、
こんなふうにたくさん繁茂していて、
黄色い花の間に見える白い花は綿毛です。
ナルトサワギクの種を飛ばすための綿毛がびっしり。
既に半分ほど飛ばされてしまったものもあります。
これ以上飛ばないように=これ以上繁茂域が広がらないように、シートで被うことを県は優先したのでしょう。

急がば回れと言いますが、本当にそうですね。
工事を急ぐあまり県民の忠告に耳を貸そうともしなかった県ですが、もう少し真摯に耳を傾けていたら、こんなに繁茂する前に対策を打つことができたでしょう。

石木ダムも同じです。
事業着手の前に、しっかり住民の声に耳を傾け必要性について徹底的な議論をしておくべきでした。
それを先送りしてきた結果が今の混乱を招いています。

まだ本体工事には着手していない今こそ最後のチャンスです。
石木ダムの必要性について、科学的客観的なデータのもとに、しっかり議論すべきです。
県民の多くがそれを望んでいます。