3つの『声』

これは6月18日付、長崎新聞『声』欄に掲載された投稿記事です。

石木ダム事業について、「容認派と反対派の専門家を公開で議論させ、県民の判断を求めてはどうか」と提言し、さらに、
そのためには「工事をいったん中止」することを県に提案しておられます。

投稿されたのは、京都大学名誉教授の今本博健氏。河川工学の専門家です。
今本先生は、この提案の前に、2つの投稿記事に対するご自身の見解を述べられています。その2つの記事とはこちらです。

5月21日付、石木ダム建設予定地のある川棚町にお住いの医師の方からの投稿です。

6月10日付、石木ダム建設事業者である長崎県の河川課長からの投稿(お答え)です。

私はどちらの記事も掲載された日に読んでいましたが、
河川課長の「お答え」を読んだ時は、なんだか国会における政府答弁を聞いているような、モヤモヤした気分になりました。

川棚町民として石木ダムに深い関心を持っている方の、素朴で的を射た疑問に対し、河川課長は肝心なことは答えず、石木ダムの必要性を強調しています。

羽田野氏の声
・石木川と川棚川の水量の差にびっくり!
・こんなに水量の少ない石木川にダムを造っても、川棚川の治水効果は小さいのでは?
・それなら川棚川の堤防を嵩上げした方が、治水効果も経済効果も大きいのでは?
・専門家のご意見を伺いたい

河川課長の声(お答え)
・計画以上の大雨が降ると、堤防の嵩上げした分、被害が大きくなる。
・大雨の時、ダムは川に流す水の量を調節できるので洪水被害を軽減する。
・川棚川の治水対策としては、石木ダムと河川改修の組み合わせが経済的にも有効。
・気候変動で自然災害が増えている。一日も早く石木ダムを完成させねば・・。

このように要点をまとめてみると、河川課長の「お答え」がいかに不誠実な答えであるかがよくわかります。

・羽田野氏の疑問(川棚川と石木川の水量の差、石木ダムの治水効果、堤防の嵩上げとの比較など)について、正面から答えていない。
・「計画以上の大雨」が降った場合の堤防嵩上げの被害を述べながら、ダムの場合は「大雨の時」のことしか述べていない。ダムも「計画以上の大雨」が降れば大きなリスクを伴う。ダムからの放流により何人もの命が奪われた事例さえあるのに。

そもそも羽田野氏は「専門家」の意見を聞きたいと書かれていました。
事業者である県に回答を求めていたわけではありません。
県の主張は、広報誌や石木ダム建設事務所が発行している「水のわ」で、川棚町民は熟知しておられるはずです。

そう思っていたところに、まさに専門家の方からの投稿が掲載され、びっくりしました。
投稿された今本先生は河川工学の専門家として有名な方です。

今本先生の声
・嵩上げは決壊した場合の被害が大きいが、補強すれば避けることができる。
・ダムは計画を超える雨には役に立たず、地域社会や自然環境を破壊する。
・川棚川水系の治水計画は30年に1度が妥当であり、ダムは不要。
・県は容認派と反対派の専門家を公開で議論させ、県民の判断を求めては?

ということで、今本先生も石木ダムは不要とのお考えですが、ここでは不要と決めつけるのではなく、議論することを提案されました。

それはとても大事なことだし、実現されることを私も願っています。

なぜなら、羽田野氏のように石木ダムについて、いろいろ疑問を持っている川棚町民、佐世保市民、長崎県民も多いはず。
事業費を負担する県民の理解は何より大切です。
地元住民はもちろん、それ以外の県民の理解も得るためにも、公開の場での専門家の議論は必要です。
専門家の方には、なるべく素人にもわかるような説明をお願いして・・・

政策は合意のもとに進められるべきものです。
公共事業とは名ばかりで、住民や県民が望まない公共事業なら、それは見直されるべきです。
そのような事業に税金を注ぎ込めるほど長崎県の財政は豊かではありません。

振り返ってみると、私たちは河川課の方からの説明(石木ダムの必要性)はたくさん聴いてきましたが、専門家による石木ダムの必要論を直接聴いたことがありません。
専門家といえば、不要論ばかりでした。
もしかしたら、私たちの情報も偏っているかもしれませんね。
石木ダムが必要という専門家の説明を聞けば納得できるかも?




ですから、県は県民の理解を得るために、ぜひ、専門家によるダムの必要性についての討論会を開いてください!

石木ダム工事差止訴訟控訴審、結審

6月18日 雨の中の門前集会。石木ダム訴訟では初めてのことです。

皆、片手に傘、もう片方の手には横断幕やメッセージボード。
傘を打つ雨音に邪魔されながらも、石丸さん(こうばる住民)や弁護団長の話に耳を傾けていました。



石丸さん:前回同様、今日も地元からやってきたのは私だけです。いま私たちは月曜日から土曜日まで毎日、工事現場で抗議の座り込みをやっているので、現場を離れることができません。そういうわけで、大事な裁判に今回も私1人しか来られませんでした。福岡の方には毎回たくさん集まっていただき、本当に感謝しています。今後ともよろしくお願いいたします。



馬奈木弁護団長:私はもう50年ほど裁判に関わっています。1990年代頃までの裁判所なら、同じ判決を出すにしても証拠調べはきちんとやった。なぜなら裁判とは議論を尽くすところだから。ところが近年の裁判所はその役目を果たしていない。石木ダム事業認定取消訴訟の結審の時、裁判長は「もうこれ以上お話を聴く必要は無い」と言った。この言葉を私は忘れない。裁判官が聞く耳を持たなければ裁判の意味は無い。結審にあたって今日の裁判長は何とおっしゃるか、私は注目しています。

14:30、開廷。
裁判長は、弁護団に何か2,3確認した後、弁論を許可。

まず、高橋弁護士から、利水について提出した準備書面の要旨が述べられました。
21.06.10-控訴審J7要旨(高橋)

裁判長:ではこれで弁論は終結ということで、終結にあたっての意見陳述をどうぞ。

高橋弁護士:その前に、新たな証拠や証人申請をしておりましたが・・?

裁判長:それについては、いずれも必要のないものと裁判所は判断しました。

門前集会での馬奈木弁護団長の話を聞いて、みんな注目していたのでしょう。「えー!なんで?」「森富義明裁判長、お前もか・・」という声に出せない思いが、傍聴者の表情に浮かんでいました。(原告席に居た私からは傍聴席の人の顔が見えていました)

そして、この後は流れ作業のように、次の意見陳述へと移りました。

石丸勇さん(石木ダム建設予定地こうばる住民)
R3.6.18意見陳述書(石丸勇)

この素晴らしい陳述に誰もが心の中で頷きながら聴いていたと思いますが、実際に声に出す傍聴者がいました。

「そうです!」という声が、高橋弁護士の時にも1回発せられ、石丸さんの時には3回も。裁判長は1回だけ「傍聴人は発言しないように!」と注意しましたが、その後はもう何も言いませんでした。

そして、石丸さんの陳述後、傍聴席から大きな拍手・・・。
これにも無反応の裁判長。

魚住弁護士
2021.6.18意見書(魚住)

陳述後、またもや法廷に響き渡る拍手。
裁判長からは注意無し。
諦め?もしや・・共感?

など妄想が一瞬脳内を過りましたが、
陳述が終わるやいなや、

裁判長:では、これで弁論を終結します。
判決は10月21日午後2時半。101号法廷。
以上です。

と、無表情に淡々と述べ、退席。
あああああ・・・・「イチケイのカラス」は、やはりここにはいなかった。

<報告集会>
福岡県弁護士会館2階大ホールにて。





いつものように、事務局の平山弁護士から、前回期日(3月25日)から今日までの経緯と、今日の法廷でのやり取りについての説明がありました。


そして、判決期日を伝え、それまでの4ヶ月間私たちに何ができるか、共に考え協力していこうと呼びかけられました。

続いて、陳述者からの発言です。



高橋弁護士:今回陳述したのは、佐世保市がおこなった2019年度の再評価がいかに問題だらけであったかを述べた準備書面7を要約したものです。その準備書面はほぼ丸々遠藤さん(水源開発問題全国連絡会共同代表)が書かれたもので、大変分かりやすくまとめてあります。よかったらそちらも是非読んでいただければと思います。
差止め控訴審J7



魚住弁護士:この裁判に関わって初めての意見陳述です。私は、なぜ川原の人たちが訴訟という手段に出たのか、それを3つの観点(立憲民主主義、住民自治・団体自治、将来世代)から言わせてもらいました。例えば、将来世代の観点で言うと、アメリカインディアンの中には7世代先のことを考えて物事を決めようという考えがあります。こういう視点の大切さを盛り込んだつもりです。



石丸控訴人:伝わったかなと少し不安でしたが、最後に皆さんから拍手をいただいて、よかったなと思いました。私は県が石木ダムを進める上で、いかに私たちを騙しながら、世間を誤魔化しながらやってきたかを伝えたかった。それから、県は私たちを追い出せないまま堰堤を造ろうとしています。堰堤ができ水を溜めれば私たちは水没させられるのです。また、それに抵抗しようとすると、かつての強制測量の時のような流血の事態にもなるでしょう。そういう現状も伝えたかったので陳述書に盛り込みました。

質疑応答
Aさん:石丸さんの陳述の中に、国交省の有識者会議で「石木ダムに関しては、事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」という付帯意見が付けられたことが書かれていますが、当時は民主党政権だったと思います。その後、自民党政権になってから、この付帯意見はどのようになったのか事実経過がわかれば教えていただきたい。

石丸さん:民主党政権の時にダム検証が行われ、石木ダムは検証の結果「事業継続」となったけれど、「地域の方々の理解が得られるよう努力すること」という付帯意見が付きました。ダム検証そのものは悪いことではないが、やり方がまずかった、失敗だったと思います。あれで石木ダムも、お墨付きを得た形になり、事業認定にも繋がっていったので。

Aさん:近々知事と話し合うための協議がなされようとしているようですが、これは本体工事に進むための布石のようにも感じられます。皆さんのお考えを聞かせて頂きたい。

石丸さん:県の言う話し合いはポーズだと私たちも思っています。今日午前、地元では記者会見をやりました。それは私たちの真意を伝えるためです。県が予定した明日の事前協議を結果的に私たちは断りましたが、工事を中断しなければ話し合う環境にはならないということを伝えるためでした。県は私たちが話し合いを拒否しているという形に持って行こうとしていますが、話し合う環境を作ろうとしない県の方こそ話し合う意思はないのだということです。

Bさん:石丸さんの陳述書には、石木ダムの当初の目的は針尾工業団地の水源確保のためだったと書かれています。私は以前、針尾工業団地の調査(ここにはどのような業種が適しているかという調査)に関わっていました。そのとき言われたのは、ここには水が無い、それを前提に考えてほしいと。私たちは石木ダムなど全然聞いていない。今それを知って非常に悔しく思っています。

Cさん:魚住弁護士の陳述書の中に「川原の住民である控訴人等には、佐世保市議会議員、佐世保市長を選出するための選挙権それ自体が認められていないのです。すなわち、住民自治・団体自治の本質的部分である、選挙権それ自体が保障されてはいないのです」とありますが、そこの意味がよくわからないのですが・・・。

魚住弁護士:石木ダムは長崎県と佐世保市の共同事業です。こうばる住民は川棚町民なので佐世保市長を選ぶ権利はありませんよね。権利が与えられていない自治体の政策によって追い出されるのは問題だと言っているのです。

Cさん:佐世保市のダムを川棚町に造るのに、川棚町の許可は要らないのですか?

高橋弁護士:要らないと思います。そのために土地収用法があるので。

Cさん:では、市が他所の自治体に造るのに、その自治体の許可は要らないのですね?

高橋弁護士:川棚町は川棚川の洪水被害の軽減のために石木ダムを造るということになっているので、川棚町も認めているわけです。

馬奈木弁護士:制度的にはその通りだが、被害を受ける住民が本気で被害を止めようとすれば、やり方はある。自分の権利は自分で守る。川棚町議会が変われば町も変わる。例えば条例を作るとか。以前、産廃問題でそういう条例を作ったこともあります。制度が間違っていれば正しい制度に作り直すとか、そういう方法もあるということを、あえて付け加えておきます。

Dさん:佐世保市は石木ダム計画の言い出しっぺなので自ら止めることはしないだろう。一方、川棚町は県や佐世保市の言いなりになっているが、町民はまた違うと思う。町議会への働きかけなどについて石丸さんはどのように考えておられるか、聞きたい。

石丸さん:こうばる住民としては、とにかく今は座り込みで精一杯。他のことをやる余裕はない。町民の会の方で、何か考えて取り組んでいるようだが・・

Eさん:これまで何度も現地に行っていますが、それは不定期で、人数も成り行きで、あまり力にはなれなかったと思う。これからは組織的にやっていきたい。例えば月曜日なら行けるとか、金曜日なら行けるとか、そういう人を集めて計画的にやりたい。そうすれば本当の支援ができると思う。行けそうな人はぜひ私まで声をかけてください。

など嬉しい提案も飛び出しましたし、
他にも様々な貴重なご意見も聴くことができました。
そして最後に弁護団長の馬奈木弁護士がまとめてくださいました。


反対するには、反対するだけの理由があります。
本来あるべき姿、それは、

政策はみんなの合意のもとに進められていくべきもの
みんなが納得してやっていくものです。
いわれもないことを強制される筋合いはありません。
断固として拒否しよう。
そして、合意を作ろう。
そのために、力を合わせて頑張ろうではありませんか。

雨の中の記者会見「工事の中断を!」

いつもより少ない座り込みの現場 雨の中、反対住民が記者会見


工事現場で記者会見

石木ダム反対地権者 工事現場で会見

(長崎文化放送2021/6/18(金) 20:42)
https://news.yahoo.co.jp/articles/88ec0a0188bdd866d233771cc853e30e704597ca

長崎県の石木ダム建設に反対する地権者が改めて工事の中断を訴えました。県は約2年ぶりの知事と住民の対話に向け先月から2回、地権者13世帯に対し話し合いを求める文書を送りました。

住民側は工事を阻止する座り込みを続けていて、協議のために現場を離れる間に、県が工事を進めることを危惧しています。県が設定した協議の日時は19日で、それを前に住民が現地で改めて現状を訴えました。

岩下和雄さんは「私たちがここにいなければ工事をするんじゃないかと尋ねました。その答えが工事は粛々と進めますということなんです。私たちはここを離れることはできません」と話しました。

住民側は17日付で知事に対し「工事を即時中断して穏やかな話し合いができる環境をつくり知事と直接話し合いたい」とする回答を県に郵送しています。

県は住民側の主張を受け19日の協議を中止しました。

 

 

「工事を即時中断し、話し合いのできる環境を」長崎県川棚町の石木ダムめぐり地元住民が県に回答書提出

(テレビ長崎2021/6/18(金) 19:10) https://news.yahoo.co.jp/articles/71990693735a652e694194dd52dcd94324f2d538

(映像あり)

東彼杵郡・川棚町の石木ダムの関連工事をめぐり、長崎県が反対する住民に申し入れた事前協議の場は実現しませんでした。

住民側は、あらためて知事に対し話し合いのできる環境を求める文書を送っています。

18日午前、石木ダムの建設に反対する地元住民は、座り込みを行う現地で会見を開き、中村 知事宛てに「工事を即時中断し、話し合いのできる環境を」とあらためて文書を送ったと明かしました。

長崎県側は、中村 知事と住民との話し合いに向け事前の協議を申し入れる文書を、5月と6月の2回、送っています。

住民側は長崎県の申し出に対して「協議の場を拒否しているわけではない」としたうえで、長崎県側の「座り込みの現場を離れれば工事を粛々と進める」といった発言への不信感を訴えました。

ダム建設予定地の住民「(長崎)県職員に対して不信感が募るばかりで、私たちは話し合いをしたいという気持ちになっていない。本当に話し合いを望むなら、私たちと話しができる状況を作ってほしい」

住民の参加が見込めないことなどから、長崎県は、19日午後予定していた事前協議の場を見送りました。

しかし、長崎県は引き続き協議の場を模索していて、今後の対応を検討するとしています。


石木ダム反対住民 事前協議の前提として再び工事の即時中断を
NHK長崎 6月18日 18時08分 

https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20210618/5030011751.html

石木ダムをめぐる長崎県の中村知事と、建設に反対する地元住民との直接の話し合いに向けた事前協議について、住民側は、その前提として工事の即時中断を求める文書を再び、中村知事に宛てて送ったことを明らかにしました。

長崎県は、川棚町で建設中の石木ダムをめぐって、中村知事と建設に反対する地元住民との直接の話し合いに向けた具体的な条件を確認するため、19日、川棚町中央公民館で、県側と住民側がそれぞれ5人程度出席する事前協議の場を設けるよう改めて提案する文書を、今月11日付けで地元住民13世帯に宛てて送りました。

これについて、住民側は18日、川棚町の建設現場で記者団の取材に応じ、その前提として工事の即時中断を求める文書を、17日付けで再び、中村知事に宛てて送ったことを明らかにしました。

文書では、「工事は中断しないとか、私たちが現場を離れれば工事は粛々と進めるなどと意に反したことばを繰り返され、県職員に対する怒りと不信感が増すばかりだ。このような状況では穏やかな協議が行えるとは思えない」としています。

住民の岩下和雄さんは「県は私たちが拒否したような状況を作りたいのではないか。工事を止めた穏やかな状況で話し合いたいだけだ。それは知事の望みでもあるのではないか」と述べました。

一方、長崎県は、住民側の意向を再確認したうえで、提案していた19日の事前協議を見送ることを決めました。

また、住民側が今回中村知事宛てに送った文書については、「前回の文書と同じく、求めている工事中断の具体的な期間などが書かれておらず、不明確な点が多い。今後、対応を協議したい」としています。

雨しのぐトタンの「団結小屋」

(西日本新聞2021/6/16 6:00 ) https://www.nishinippon.co.jp/item/n/755616/

石木ダム建設反対闘争のシンボルとなっている「団結小屋」

「団結小屋」の内部。テレビや冷蔵庫もある

石木ダム・リポート ―6月15日―

石木ダムの建設予定地(長崎県川棚町)は15日午後、突発的な強い雨に見舞われた。地質調査へ向けた作業道路の整備現場に座り込んでいた住民3人は数十メートル先の「団結小屋」に駆け込み、雨をしのぎながら県の動きを警戒した。

トタンで覆った小屋は40年以上前、反対派住民の切り崩しに訪れる県職員を監視する目的で建てた。当時は、泊まり込みで職員を追い払ったという。

県道沿いの土地は住民が提供。建設資材の丸太を固定するボルトの溝はつぶし、容易には外れないようにした。「簡単に代執行されないための工夫です」と石丸勇さん(72)。

県は土地収用法の手続きを進め、2019年9月までに住民の土地や農地の所有権が国へ移転された。小屋はダム本体の建設予定地に位置しており、住民側は「代執行するなら、団結小屋から」とにらむ。

普段から高齢の住民が詰め、地元のイラストレーターが描いた水没予定地の豊かな自然の絵を不定期で展示し、抗議の意志を示す。

県が着工を見送っているダム本体の現在の工期は6月末まで。この日も、県道付け替え工事の現場で山の掘削工事が進んだ。「収用法は鉈(なた)である。返り血も浴びる」。小屋の外壁に掲げた看板が雨にぬれていた。

(岩佐遼介)

3分ドキュメンタリー:石木川のほとり 第2弾

第2弾はこちら。「ゲンジボタルの乱舞」



長崎県川棚町を流れる石木川はゲンジボタルの生息数が多いだけでなく、川幅が狭いために手が届くほどの近さでホタルが乱舞する様子を楽しめるのが特徴です。

石木川では例年5月中旬からゲンジボタルが飛びはじめます。
コロナ禍によって2020年に引き続き今年も中止となりましたが、石木川のほとりでは5月最後の土曜日に「ほたる祭り」が催され、この祭りの前後が乱舞のピークと言われています。

ゲンジボタルはサナギから羽化して成虫になると、1〜2週間程度しか生きていけません。
この短い間にメスとオスは光でコミュニケーションを取り合い、交尾をして子孫を残します。
地元の方によると2021年は例年よりも羽化が早く、5月中旬頃には乱舞がはじまっていたとのこと。
そのため発光や飛翔のピークは過ぎていたかもしれませんが、それでも見応えのある乱舞を見ることができました。

今回はあえて字幕を入れずに編集しました。
日本の原風景とも言える景色をお楽しみください。

以上は撮影者村山氏によるキャプションです。

こうばるのホタルを何度も見てきた私には、正直なところ、「乱舞?」と思ってしまいました。
こうばるの皆さんも今年のホタルは寂しい・・とおっしゃっていました。

それはきっと、昨年夏の豪雨のせいかもしれません。
7月10日の線状降水帯による豪雨のときは、

例年ホタルが乱舞する辺りでも、このようにゴーゴーと荒れ狂ったように流れていました。

県が工事用の重機を搬入するために造った仮設道路も崩れてしまうほど、流れの勢いは激しかったのです。この時期のホタルはまだ卵か幼虫か・・川岸や川底で暮らしていたはず・・多くが流されてしまったのではないかと思われます。

その過酷な荒波を生き抜いたホタルたちです。
よく頑張ったね!
と言ってあげたい、そんな健気なこうばるのホタルです。

3分ドキュメンタリー:石木川のほとりにて

ぜひ見て頂きたい動画があります。
タイトルは、「3分ドキュメンタリー:石木川のほとりにて」

写真家の村山嘉昭さんがご自身のYouTubeページで公開されました。



以下は、村山さんによるキャプションです。

長崎県川棚町を流れる石木川は、佐賀県との県境にそびえる虚空蔵山を源とする全長5〜6キロほどの小さな川です。
長崎県がこの川に石木ダムを計画してから約50年の年月が過ぎました。
川棚町に隣接する佐世保市の埋立地に工業団地を誘致するための「水」が必要との判断から石木ダムは計画されましたが、立案から半世紀が経った今、社会情勢は大きく変化し、当初の目的は失われています。
それでも石木川に石木ダムを建設する計画は継続中です。
現在、石木ダムの事業予定地には13世帯が暮らしており、住民は時代に合わなくなったダム計画の見直しを訴えています。


この映像は石木川のほとりにひろがる自然環境や13世帯の日常を映したものです。
ある意味、とくに珍しくもない〝どこにでもある景色と日常〟だと思います。
それでも他の地域と絶対的に違うのは、この場所で暮らし続けるためには「ダム反対」の意志を持ち続けなければいけないことです。
住民はこの先も石木川のほとりで暮らす未来を望んでいます。

「こうばる」が凝縮された3分間を、どうかじっくりご覧ください。
そして、周りの方にも広げて頂けたら嬉しいです。

石木ダム事前協議巡り 長崎・中村知事「工事中断の条件聞く」

(2021/6/15 11:40 長崎新聞)

https://nordot.app/777363006675451904?c=174761113988793844

長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、中村法道知事との話し合いの条件として反対住民が「工事の即時中断」を求めていることについて、知事は14日の定例会見で「工事中断がどのような形なのか。条件などをしっかり聞かせていただく必要がある」と述べ、事前協議が必要との認識を示した。
知事は、ダム本体工事に着手しないなど住民側に配慮しているとし「一定の環境作りに努めてきた」と強調。県はダム建設に伴う県道付け替え工事を続けており、知事は「中断もいろんな在り方がある。住民の皆さんの意向を踏まえて判断していかなければならない課題」と慎重な言い回しに終始した。
県は先月21日付で反対住民に文書で事前協議を申し入れた。これに対し住民側は「工事の即時中断」を要求。県は今月11日付の文書で事前協議の日程を19日に指定して、住民5人程度の出席を求めている。

石木ダム建設問題 中村知事「19日事前協議の提案文書」送付



石木ダム建設問題 中村知事「19日事前協議の提案文書」送付




長崎県の中村知事は定例の記者会見で、石木ダムの建設に反対する地元住民との直接の話し合いに向けた協議をめぐって、住民側から、その前提として工事の即時中断を求められたことを受けて、今週19日に事前協議の場を設けるよう改めて提案する文書を送ったことを明らかにしました。

長崎県は、川棚町で建設を進める石木ダムについて、中村知事と建設に反対する地元住民との直接の話し合いに向けて、日時や場所などの具体的な条件を確認するため、今月上旬に、川棚町中央公民館で、県側と住民側がそれぞれ5人程度出席する事前協議の場を設けるよう提案する文書を先月、地元住民に宛てて送りました。

これに対し、住民側は、今月、中村知事に宛てて文書で回答し、その前提として工事を即時中断するよう改めて求めていました。

これについて、中村知事は、14日開かれた定例の記者会見で、事前協議の場を設けるよう改めて提案する文書を送ったことを明らかにしました。

今月11日付けで地元住民に宛てて送られたこの文書では「これまでも話し合いを模索するなかで、ダム本体工事の着工時期など、一定配慮を行ってきた。知事との話し合いの機会を設けるにあたって、工事の中断などの条件整備の考え方などについてお聞かせ頂きたい」とし、今週19日に事前協議の場を設けるよう提案しています。

これについて中村知事は「『工事中断』というのは、どのようなかたちで『止めてしまえ』と言っているのか、そうした条件を聞かせてもらう必要があるのではないか。『すべて止めてしまう』となると、協議の期間中、すべての工事ができないのかどうか、そういった条件面での検討も進めて行く必要がある」と述べました。

石木ダム事前協議19日を要望 長崎県が反対住民に

長崎新聞社)

長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、県が水没予定地に暮らす13世帯の反対住民に、中村法道知事との話し合いの条件を詰める事前協議を改めて求めた文書の内容が、12日判明した。ダム本体工事を見合わせるなど「一定配慮をしている」とした上で19日に事前協議を実施したいとしている。
県は先月21日、事前協議を提案する文書を13世帯に送付。住民側は今月4日、工事を即時中断して話し合いができる環境をつくるよう求める文書を知事宛てに送った。県は対応を協議し、11日に再度文書を住民に郵送していた。
12日に住民に届いた文書によると、県は「これまでも話し合いを模索するなかで、ダム本体工事の着工時期など、一定配慮を行ってきた」と説明。住民と知事との話し合いに向け「工事中断などの条件整備の考え方を聞かせてほしい」としている。19日午後2時から川棚町中央公民館で、県と住民双方5人程度ずつでの協議を提案。16日までに県石木ダム建設事務所長に住民側の出席者を連絡するよう申し入れた。
現場ではダム建設に伴う付け替え県道工事が進められており、住民側は毎日抗議の座り込みを続けている。住民の岩下和雄さん(74)は「本体工事がなくても抗議を続けている。住民の間で対応を話し合うが、こんな状況では協議はできないと思う」と話した。